
元町どうぶつ病院 院長 藤井 俊幸先生にお話を伺いました。


子どもの頃から生き物に強い関心がありました。本当は犬や猫を飼いたかったのですが、当時住んでいたマンションでは飼うことができませんでした。その代わりに、ザリガニやカブトムシを捕まえて家に持ち帰り、母に叱られることもしばしばありました。長野に住む祖母の家には猫がたくさんいて、一緒に遊んだり、虫や生き物を捕まえて楽しんだりできるのが嬉しくて、夏休みには毎年1か月ほど滞在していました。さらに、動物が登場するテレビ番組も大好きで、ジャングル探検を扱った番組やムツゴロウさんの番組を夢中になって観ていました。もちろん、ムツゴロウさんのような生活は現実的には難しいと理解しましたが、「大好きな動物に関わり続けられる仕事がしたい」という思いから、獣医師を志すようになりました。
開業当初からアジアアロワナを飼っています。そのほか、あるペットショップで里親が見つからず、てんかんを抱えていたマルプーを引き取って育てたり、道路で保護され、飼い主が分からなかったリクガメを一時的に預かるつもりで連れて帰ったところ、そのまま25年一緒に暮らしています。さらに、多頭飼育崩壊の現場から保護された猫が子猫を産み、引き取り手がいなかったため、そのまま我が家で飼うことになりました。
大学を卒業後に就職をして、3年間働いた動物病院が元町だったので、良い街だなと思っていましたし、獣医師としてスタートを切った街でしたので思い入れがありました。またこの病院が入っているペットショップのオーナーさんともご縁があって、お声がけをいただきましたので開業しました。
動物と暮らす環境は、誰にとっても心の健康に良い影響を与えるものだと思っています。だからこそ、飼い主の方々が安心して楽しく動物と生活できるようお手伝いしたいと考えています。動物は言葉を話せないため、私はその“架け橋”となり、気持ちをつなぐ存在でありたいと思っています。さらに、これまで動物たちは私の人生を豊かにしてくれましたので、その恩返しの思いを込めて、日々向き合っています。
私たち町の動物病院では、幅広い診療に対応する必要があるため、特定の分野に「得意・不得意」を持つべきではないと考えています。実際、私が最初に勤めた病院の院長先生もオールマイティに診療されており、その姿勢に強く影響を受け、私自身もそうありたいと思っています。長年の診療の中では、消化器疾患やホルモン系の内分泌疾患の症例を多く経験してきましたが、眼科・歯科・循環器など幅広いケースも診ています。最近では皮膚科の専門の先生から学ぶ機会もいただき、皮膚疾患にも力を入れています。動物医療は日々進歩していますので、常に勉強会や研修に参加し、新しい知識や治療法を取り入れながら、診療の幅を広げていくことを心がけています。
動物と飼い主の皆さんが幸せな時間を過ごせるよう、常に最善を尽くしたいと考えています。そのために自己研鑽を欠かさず、「分かりません」「できません」とは極力言わずに済むよう努めています。せっかく来院してくださった飼い主さんに「ここに来れば何とかしてもらえる」と思っていただけるよう、常にレベルアップを心がけています。近年、人間の医療でも特定の病気に限らず幅広く診療を行う「総合診療科」が増えていますが、動物病院もまさにそのような存在であるべきだと思っています。また、どんな小さなことでも気軽に相談できる“駆け込み寺”のような雰囲気づくりを大切にし、初めてペットを飼う方にも安心していただけるよう、しっかりお話を伺ったうえで寄り添った診療を行っています。
特別なことをしているわけではありませんが、何よりも大切にしているのは「飼い主さんのお話をじっくり伺うこと」だと思います。うちの診察室には椅子を置いてあり、まずは飼い主さんと私が座ってしっかりお話をするところから始めます。スタッフによれば、他の病院では座ってゆっくり話を聞くことがあまりないそうで、私自身もそれを聞いて驚きました。もちろん、必要であれば検査は行いますが、丁寧に問診をすれば疾患の見当や必要な検査も分かります。やみくもに検査をすれば費用がかさみ、飼い主さんの負担になるだけでなく、誤診につながる可能性もあります。だからこそ、診療の原点である「問診」を最も大切にしています。
私は、一緒に働いてくれているスタッフを「仲間」と考えており、お互いを支え合い、切磋琢磨し合える存在だと思っています。スタッフが働きやすい環境を整え、さらに「この職場で一緒に働きたい」と思ってもらえることも、私の大切な役割のひとつです。忙しい日々の中でも、スタッフも私も有給休暇を自由に取れるように、互いに協力し合い、フォローし合う体制ができています。獣医師は皆、私より若い世代ですが、私自身も彼らから学ぶことが多くあります。診療の場では責任感と自主性を持って取り組んでくれており、その姿勢は飼い主さんからの感謝の言葉にもつながっています。これからもスタッフ全員がやりがいと幸せを感じながら、長く働き続けられる職場であるように努力していきたいと思っています。
動物、飼い主さん、そしてスタッフを含め、関わるすべての人が幸せになれる場所にしたいと考えています。来院された飼い主さんに「この動物病院に来てよかった」と笑顔で感じていただけるよう、私自身も含めてスタッフ全員が常に成長を目指して努力しています。もちろん、動物病院は命を預かる場ですから、厳しさや緊張感も欠かせません。しかしその中でも、スタッフが笑顔で働ける環境づくりを大切にしています。私の理想は、田舎や離島の診療所のように、地域の方が世間話をしに立ち寄れるような、気軽に訪れていただける雰囲気の病院です。そのため、あえて予約制は導入していません。多少お待ちいただくことはありますが、「行きたいと思ったときに気軽に来られる場所」でありたいと思っています。
| 医院名 | 元町どうぶつ病院 | ||||||||||||||||||||||||
| 住所 | 〒231-0801 神奈川県横浜市中区新山下1-2-8 港山下ビル2F マルワン元町店内 地図を表示 | ||||||||||||||||||||||||
| 電話番号 | 045-264-8157 | ||||||||||||||||||||||||
| 診療科目 | 犬 猫 | ||||||||||||||||||||||||
診療時間
| |||||||||||||||||||||||||
| 休診日 | 木曜 祝日午後 | ||||||||||||||||||||||||
| 最寄り駅 | みなとみらい線 元町・中華街駅/JR根岸線 石川町駅 | ||||||||||||||||||||||||
| 交通手段 | 元町・中華街駅から徒歩2分 石川町駅から徒歩15分 | ||||||||||||||||||||||||
| 駐車場 | 有り 港山下ナナイロ駐車場をご利用下さい | ||||||||||||||||||||||||
| ホームページ | http://newtown-inuneko.com/motomachi/ | ||||||||||||||||||||||||
Copyright (C)2015-2025 病院検索の病院まちねっと All Rights Reserved.
本サイトに掲載の文章・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信などを禁じます。