さいしょ糖尿病クリニック 院長 税所 芳史先生にお話を伺いました。
慶應大学です。平成10年に卒業致しました。「税所(さいしょ)」という苗字が珍しいとよく言われますが鹿児島や宮崎でよく見かける苗字でして、私自身は東京出身なのですが、私の祖父と祖母が鹿児島の出身です。
小さい時から、医師という仕事はとても良い仕事であると感じていました。祖父が、私が小さい頃自宅で開業医をしており、その頃から自分の中に医師というものに対する具体的なイメージが存在していたと思います。また、父は大学病院の勤務医をしており、患者さんから感謝のお手紙を貰ったりしていたのを見ていましたので、ますます医師という仕事に対する良い印象が膨らんでいったように感じます。そういった気持ちと、小さい頃の環境から「医師になりたい」と思うようになったのは自然な成り行きであったと思います。
私は自然が好きです。医師というのは、学問としての自然科学を追求しながらそれを患者さんへ還元出来るという職業的な魅力があり、その事が医師を目指したきっかけとなります。慶應大学の医学部へ入学した際、どの診療科目を選ぼうかと考えた時に、父や祖父が内科医であったので「赤ひげ先生」のような患者さん自身をきちんと診る事ができる医師への強い憧れがありました。他の診療科目も色々と考えたのですが、内科医の「体の中から全身を診る」という点と、自分の中にある「患者さんそのものを診る」という赤ひげ先生のイメージが、内科医が一番ぴったりであると思った事がとても大きかったですね。私が専門として*診療している糖尿病は、体の免疫力が落ちてしまう原因ともなり、現在のようなコロナウイルス禍(取材時2022年)では非常に注意が必要な病気です。また、他の病気を併発してしまう恐れもあって、糖尿病というのはすべての病気の基となりかねない危険性を持っている怖い病気です。患者さんの生活習慣を含め、きちんと患者さんと向き合う糖尿病の診療とは、とても大きな責任感と「この患者さんを何とか治してあげたい」という使命感も合わせ持っていると思います。私には「糖尿病や合併症が進行する前に何とか予防が出来ないだろうか」という考えが根底にありまして、糖尿病を治療する事で合併症を予防し、また、糖尿病自体も生活習慣を改善する事で予防する事が可能な病気です。糖尿病の予防というのは、患者さんが主導で行う事で充分に効果を発揮し、その予防のお手伝いをする事が私達の重要な使命であると考えます。自分自身の医療に対する考えが、糖尿病の予防・治療の方向性と合っていたという事が、この診療科目を選んだ理由であると感じています。赤ひげ先生の理念とも非常に近いのではないか、と思いますね。【*診療…診察および治療】
私は生まれが新宿区です。そして、慶応病院で長年勤務をしていた事もあり、この新宿から中野にかけてはずっと私の拠点でした。ここ中野であれば、慶応病院との連携も行いやすいという地の利があります。また、開業をするにあたって「糖尿病に関する専門性の高いクリニック」を目標に掲げ、患者さんがアクセスしやすいという事が重要な項目の一つであると考えておりましたので、新宿のようなターミナル駅に近い中野という場所は条件にぴったりであると思いました。クリニックが入居するこのビルは中野駅からも近く、また、電車もバスも充実しているので患者さんにとって通いやすい環境にあるのではと思います。新宿駅周辺でも色々と探したのですが、駅からの近さなど利便性を考えると、現在のこのビルはとても良い環境であると思います。このビルの他のフロアには薬局の他、眼科と泌尿器科そして歯科のクリニックさんも入っており、いずれも糖尿病と関係が深い診療科目ですから、患者さんにとっても治療面においてうまく連携が出来るのではと考えております。また、中野は現在再開発が進んでいますので、街が今後更に大きく発展していくと思われます。
当院は糖尿病専門のクリニックですので、1型・2型糖尿病、妊娠糖尿病などの診療を中心に行っております。また、甲状腺を中心とした内分泌疾患の診療、そして私自身内科の総合専門医ですので内科全般につきましても診療を行わせて頂いております。糖尿病の診療に関して、多岐に渡る幅広い知識を基に行う事が重要と考えており、患者さんが他にどのような病気をお持ちなのかという全体像を把握する事を強く意識しております。生活状況を含めて、合併症や併発症の状況を確認する事が大変重要です。血糖値が上がってしまったのはどういう事が原因なのか、関節リウマチが悪化して最近歩く量が減ってしまったからなのか、それとも別の病気の薬が増えた事が原因なのか、他の病院での治療の影響なのか…そういった「患者さんの全体像を診る」という事が、診療において非常に重要であると考えています。その為に日々の勉強を欠かさず、良い診療を行えるように努力を続けていきたいと考えております。
患者さんにずっと健康でいて頂きたい、それが一番に考えている事となりますね。患者さんの健康寿命を延ばすという事、そして病気であっても患者さんが笑顔でいて頂けるような診療を行う事、これを念頭におきながら常に診療にあたらせて頂いております。当院のコンセプトとして、「また来たいと思って頂けるクリニックである事」をモットーとしております。糖尿病の治療は継続的に行う事が重要で、治療が中断されてしまうと合併症が進んでしまう等のリスクがあります。ただ、患者さんは忙しい中を治療に来て頂いていますから、食事の制限や運動療法ばかりを伝えるのではなく「今日は楽しかった」「来て良かった」と患者さんに思って頂けるような事を、一回の*外来で一つはあるように行っていきたいと考えています。やはり、治療というのは前向きな気持ちで行う事が重要でして、気持ち一つで治療効果が全然違ってくる事もあります。そういった患者さんの治療に対する前向きな気持ちに寄り添う事を、これからも心掛けていきたいと思いますね。【*外来…通院による診療】
糖尿病とは、膵臓から出ているインスリンというホルモンの働きが正常でなくなると起こる病気です。インスリンを分泌するβ(ベータ)細胞が減ったままの状態であると、糖尿病という病気はなかなか治らないので、そのβ細胞を減らさないように、かつ守っていく事が治療における重要な取り組みとなります。その為に食事を軽くしたり、体重をコントロールしたり運動療法を行ったりするのですが、その際に私が気を付けている事は患者さんへ「治療の押し付け」のような形とならないようにする事です。患者さんと医師というのは治療を通じた同志であると思っていますから、患者さんの気持ちに寄り添う、そして患者さんが自然と心を開いてくれるようになるにはどうすれば良いか、というスタンスを徹底するように心掛けております。患者さんの方でも「この治療がなぜ必要なのか」という事や「この薬・治療はこういう効果がある」という事が分かれば、普段の治療に対する取組みや意識が変わって、より治療の効果を発揮するようになっていきます。意識が変わった患者さんというのは自発的に歩く距離を増やしたり、運動を積極的に取り入れたり、食事を上手くコントロールしたりというような事を行って、生活習慣が変わるというよりも人生に対する心掛けが変わったように私は感じます。そういった患者さんを間近で見られる事が、非常に嬉しく思いますね。今まで治療を中断していた患者さんが、当院に来てからまた治療を継続できるようになったと言ってくださる方もいらっしゃいます。患者さんの「診療に対する納得感」というものを大切にして、また、当院独自の手法として徹底をしていきたいと考えております。診療以外でも色々な取り組みをさせて頂いており、完全予約制として検査結果も7~8分と短時間で出せる為、患者さんの待ち時間や院内滞在時間を極力少なくする事が可能となりました。そして、専任の栄養士や看護師から専門的な治療や食事面についてのアドバイスを受ける事も出来ます。また、スマホアプリの健康管理ソフトを活用して患者さんの治療に対するモチベーションが上がるよう、患者さんと常にコミュニケーションを取る事に注力しています。しばらく治療がご無沙汰してしまった患者さんでも、アプリを通してであればお互いに連絡がしやすいので非常に重宝しておりますね。ツール類では、非接触型の自動精算機を導入してコロナウイルス感染対策を万全にしております。現状ではまだまだコロナウイルスの感染リスクがありますので、待ち時間・診療時間の短縮の取り組みと合わせて、感染対策をしっかりと取っていきたいと思います。
当院のスタッフはとても優秀な人材が集まってくれた、と感じています。当院は「清潔・笑顔・思いやり」というコンセプトを掲げており、毎朝全員でそれを唱和してから業務に取り掛かるようにしています。スタッフに、「患者さんにまた来てもらえるクリニック」「患者さんを中心に」という考えが浸透して行動しているのを感じられるのが、とても嬉しいですね。スタッフ間のコミュニケーションもきちんと行われているので、業務がスムースに行われているのもスタッフのお陰と思っています。当院のホームページのブログもスタッフが工夫して書いており、見て頂いた方が先日通算で3万人に到達しました。見て頂いた方に感謝ですし、また、ブログを書いてくれたスタッフにも感謝ですね。ブログを通じて、スタッフ同士がお互いの考えなどを共有する場となって、それがクリニック運営にも生かされているように感じます。スタッフ間の連携を取る事ももちろん重要ですが、クリニック運営に関してスタッフから色々な意見が出しやすい雰囲気つくりも重視しています。その結果、スタッフそれぞれが自分の持ち場でそれぞれの力を発揮して、とても良い雰囲気のクリニックとなっているように感じています。
2022年1月にクリニックを開業しまして、今の所大きな問題もなく、そして患者さんも治療に満足をされている方が多い状況でスタートを切る事が出来ました。今後という事でいきますと、糖尿病専門クリニックとして「ここに来れば何とかしてくれる」と患者さんが思って頂けるような、そして中野という地域の医療に貢献出来る、糖尿病・生活習慣病について患者さんが気軽に相談が出来る場所というものを目指していきたいと思います。「身近な存在でありながら大学病院レベルの診療を受ける事が出来る」そういったクリニックを目指していきたいと思いますね。医療は細分化が進み、全ての分野を一人で診るという事がなかなか難しくなってきておりますので「糖尿病の専門家」として診療を行う事が、患者さん・地域への貢献につながると考えております。コロナウイルスに関しましては、ワクチンの取り扱いを始めました。糖尿病の患者さんはコロナウイルス感染予防が必須となりますので、その辺りについても是非お話をさせて頂ければと思います。また、睡眠時無呼吸の治療も行っております。睡眠時無呼吸の症状があると、血糖値が悪くなってしまう事もあり、糖尿病と睡眠時無呼吸を合併している患者さんも多くいらっしゃいます。当院では簡易検査と治療を行っておりますので、こちらもお気軽にご相談ください。
医院名 | さいしょ糖尿病クリニック | ||||||||||||||||||||||||
住所 | 〒164-0001 東京都中野区中野5-67-5 SKGT長谷部 3F 地図を表示 | ||||||||||||||||||||||||
電話番号 | 03-5942-9393 | ||||||||||||||||||||||||
診療科目 | 糖尿病内科 内分泌内科 一般内科 | ||||||||||||||||||||||||
診療時間
| |||||||||||||||||||||||||
休診日 | 木曜午後 土曜午後 日曜 祝日 | ||||||||||||||||||||||||
最寄り駅 | JR 東京メトロ東西線 中野駅 | ||||||||||||||||||||||||
交通手段 | 中野駅 より徒歩3分 | ||||||||||||||||||||||||
駐車場 | 無し | ||||||||||||||||||||||||
ホームページ | https://saisho-dc.jp/ |
Copyright (C)2015-2025 病院検索の病院まちねっと All Rights Reserved.
本サイトに掲載の文章・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信などを禁じます。