葛西中央病院｜内科整形外科小児科泌尿器科リハビリテーション科船堀駅船堀7-10-3（電話番号：03-3680-8121）

Doctor　Interview

医療法人社団葛西中央病院院長土谷明男先生にお話を伺いました。

よりよく生きるための診療を

医療法人社団葛西中央病院院長土谷明男先生

医療法人社団葛西中央病院
院長土谷明男先生

出身大学はどちらですか？

群馬大学出身です。

ドクターになろうと思った動機は何ですか？

大学の受験を前にして父親から勧められました。しかし父親を含め親戚に医者はいません。ですから具体的なイメージを持って医学部を受験したわけではありません。具体的に医師になろうと思ったのは実はその先です。恥ずかしい話ですが、患者を目の前にして初めて医師になろうと思いました。

この病院の診療科目を決めた理由は何ですか？

単純に外科系の診療科を考えていました。その中でも生活の質を中心に考える整形外科を選びました。

先生の得意な分野（治療）は何ですか？

外来では整形外科疾患全般を診察しています。その中でも特に骨粗鬆症については注力しています。高齢の、特に女性は多くの方が骨密度が低い状態になります。症状がなくても積極的に骨密度を測定しています。診察時にはできるだけ長い期間を想定します。骨粗鬆症はその人の「今」のためではありません。その先の10年、20年とその人の将来のための治療だからです。入院では大腿骨の骨折で手術を要する方や脊椎圧迫骨折で動けない人を診療しています。入院は整形外科疾患だけではありません。他の病院で治療した後、自宅での生活が困難となった人も多くいます。あるいは最期の時を迎える方も診療しています。外来に来られなくなった方については訪問診療も行っています。訪問診療を開始するということは本当に最期までお付き合いすることと同じです。つまりお看取りまでお付き合いするということです。その人はもうどこにも行けない人ですから。

患者さんにどのように貢献したいですか？

当院を受診するのは高齢の方が多いです。よくよく訊いてみると、長生きしたいという方は実はそれほど多くはいません。認知症になること、寝たきりになることを何よりも恐れます。目の前にいる人の最期の時を考えます。その人ができるだけいい状態で最期をお迎えできるようにと思います。最期の時について一緒に考えることで、より一層今の健康状態のことを考える契機になるかもしれません。しかしその一方で、その出会いは一時だけかもしれません。たとえ一瞬でも病気やケガの中にあって何かしら励みになってもらえれば幸いです。

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終末期には医療ができることは限定されます。近い将来お看取りとなることが予想されるときは本人だけでなく家族ともできる限りお会いし、その思いを汲むように心がけています。

スタッフさんに対しての想いを語って下さい。

当院では高度な治療をしているわけではありません。当院のスタッフはどこの病院でも行われている一般的な治療を実直にがんばっています。治療の対象となる人だけではなくお見舞いに来ている人や業者の人など病院に来るすべての人に対してこころ配りするように伝えています。

今後、どういう風に病院をしていきたいですか？

治療するばかりでなく、今後は最期の時を迎える人たちが増えます。どこで最期の時を迎えるのか。その時をどのように迎えるのか。多くの人が抱える問題となります。それは自分の問題でもあるし、自分の家族の問題でもあります。そういった人たちにも利用してもらえる病院にしたいです。病院そのものは古くなっています。そのためにも今後建て直したいと考えています。

医療についての思い

働くようになってから映画を観たり本を読んだりするようになりました。ジャンルは問いません。映画「ブレードランナー」はご存知でしょうか。今となってはSF映画の古典的名作です。火星で人間の代わりに重い苦役にさらされていたアンドロイドが地球に逃げ込みます。そのアンドロイドを捕らえるのがブレードランナーです。アンドロイドと人間は見た目では区別がつきません。どうやってアンドロイドと判別するのか。映画よりも原作の小説の方がそこに重点がおかれます。先に言ってしまえば、「共感」できる心があるかどうかです。「共感」できることこそが人間ではないかと原作者はいいます。今後人工知能が発達し、自分の症状を列挙し病院で行った検査結果をコンピューターに入力すれば、簡単に診断がつく時代になります。診断がつけば自ずと治療法も決まります。その時医療提供者は何をするのか。何ができるのか。もしかしたらただ隣りに座って話しを聞くだけなのかもしれません。そこに医療の本質があるのかもしれません。

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