いおうじ応急クリニック 院長 良雪 雅先生にお話を伺いました。
高校生の時に、アメリカで9.11がありました。多くの方が亡くなり、世界情勢や世の中の価値観が大きく変わる中で、自分が一生をかけるべき仕事はなんだろうと考えました。その中で「人の命を救うこと」はどれだけ世の中が変わっても価値があり続けることであると考え、医師を志しました。
当院は休日・夜間の応急診療に特化したクリニックです。他の診療所がやっていない時間をカバーするために、行政の委託を受け開設しています。応急診療のニーズの95%は内科・外科・小児科であるため、その部分をカバーできる診療科目としました。
元々は平成25年に当時の松阪の山中光茂市長から、「地域の一次救急が崩壊したため力を貸して欲しい」と声をかけられたのが始まりです。地域の開業医の高齢化が進み、休日や夜間の一次救急体制がカバーできなくなっていました。そのため、行政の後押しを受け、その部分を専門にカバーするクリニックを開設することとなりました。
私は「地域づくり科」と名乗っています。地域の医療システムを守り、維持するためのしくみ作りをすることが得意です。単に診療を行うだけでなく、住民同士が共助するための地域づくりが必要ですから、実際に地域のママさんたちと協働し、子育てについての勉強会や座談会を開催しています。最近では農家と組んで農作物の機能性表示食品の取得を目指しており、地域活性化と健康づくりに活かしたいと考えています。
クリニックとして応急患者への対応を行うことはもちろんですが、より重要なのは応急診療の受診をしなくても良い環境づくりをすることです。地域の子育てママさんに、どのような時に救急を受診すべきか話し、高齢者のコミュニティを作ることで、独居の不安を軽減するような貢献を目指しています。
救急の受診を減らせる地域づくり活動を行う高い意志があること、そして実績があることが特徴です。これまでは私が自分で活動を行うことが多かったのですが、今後は院内に専門の部署を立ち上げ、そのような活動にもっと力を入れていきたいと考えております。
夜間に診療をしていることや、応急診療という感情的になりやすい患者さんに対しての対応が必要なことから、当院での勤務はおそらく他のクリニックに比べ、負担も大きく大変だと思います。地域に貢献したいという思いでよく付いてきてくれていると思います。感謝しかありません。
今年に入ってから在宅診療を開始しました。今後、地域でも病床が削られるため、いかに開業医が外来や在宅で広い範囲に対応できる仕組みを作るかが重要です。当院では在宅・救急・予防・地域づくりを4本柱とし、高齢化社会を乗り切る地域を作りたいと思っています。
重要なのは社会的な問題をいかに解決するかという視点です。高齢化社会という社会的課題を解決するためには、通常の診療のみを行うクリニックでは限界があります。私たちにとって医療の提供は事業の一部に過ぎず、そこを通した地域づくりこそが、その解決策と考えています。
医院名 | いおうじ応急クリニック | |||||||||||||
住所 | 〒515-0044 三重県松阪市久保町字1925 地図を表示 | |||||||||||||
電話番号 | 0598-31-3480 | |||||||||||||
診療科目 | 内科 外科 小児科 | |||||||||||||
診療時間
| ||||||||||||||
休診日 | 月曜 | |||||||||||||
最寄り駅 | 松阪駅 | |||||||||||||
交通手段 | 松阪駅から車で15分 | |||||||||||||
駐車場 | 有り | |||||||||||||
ホームページ | http://ioji.org/ |
Copyright (C)2015-2025 病院検索の病院まちねっと All Rights Reserved.
本サイトに掲載の文章・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信などを禁じます。