甲府昭和腎クリニック 院長 井上 浩伸先生にお話を伺いました。
山梨医科大学の出身です。
実は大学に入ってからの学生時代、臨床医になることより法医学や公衆衛生学、法律関係など他の分野に進むことを真剣に考えていました。当時の法医学教授に今後の進路の話でご相談に伺ったとき、講義や解剖室等での振る舞いと全く違い、とても親切に親身に何時間も話しをしてくださいました。公衆衛生学の先生にも話を伺いに行きました。どの先生も異口同音に、まずは研修医として2年間臨床で経験を積み、そのうえで興味があるならその戸を叩きなさいとのことでした。その言葉を胸に2年間の研修医では、臨床第一線の仕事はもう人生で経験することはないだろうと本当にがむしゃらに全力で走り抜けたのですが、気が付くと学生時代に描いていた姿がおぼろげになり、自分の適性は寧ろ、このまま臨床家として歩むことの方が向いているのではないかと考えるようになり、そのままド臨床の現場で働き続けることになりました。人間万事塞翁が馬、人生何があるか分かりません。
研修医としてやるには全身が診られる方がいい(のちにそれは極めて難しいと実感しましたが...)ということから、内分泌・代謝・腎臓・リウマチを扱う出身大学の第3内科にて研修することに決めました。その後、近隣の基幹病院(山梨県立中央病院)の腎臓内科に急に派遣(出向)が決まり、腎臓病や透析について携わることになりました。当初は半年の約束でしたが、もともと興味があった分野であったことと、半年くらいの経験では腎・透析のノウハウを学ぶのは短すぎるという思いもあり、教授に無理を言って、松本市にある相澤病院の後期レジデントとして引き続き出向させていただきました。そこで恩師の神應裕先生の出会いがあり、腎・透析について深く学ぶことになりました。当時、透析界で最も重鎮であり、恩師の神應先生のさらに師にあたる太田和夫先生が松本に訪問の際、「今鍛えているのですが、この先も透析でずっとやっていくようですから太田先生どうか宜しくお願いします。」と神應先生から思いもかけず紹介され、うれしいようなビックリするような運命が決まった瞬間でした。
腎・透析はとても奥深く、たくさんの経験や知識を積まないといけません。その後、大学院の卒業年度においてまだまだ実力不足であることを肌で感じていましたが神應先生より済生会熊本病院でさらなる修行をと紹介され、遥か九州まで行くことになりました。非常に忙しい救急病院でしたが、結局12年あまり、急性期から慢性期、本当にたくさんの経験・研鑽を積むことになり、また臨床研究にも没頭しました。熊本地震も経験し災害医療の大切さ、大変さも経験しました。臨床医として働く上での宝石の数々、自分の人生において本当に大きな宝物を得ることができたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。ただいずれはお世話になった山梨に恩返しをしなければならないとも考えていました。
自分自身は腎・透析の分野で仕事をしています。これらの分野では自信をもって診療に当たれるように日々精進をして、最新の知見も得ながら診療を行っています。同時にその背景にある考え方として大切にしていることは、個々の患者さんに起きている疾患概念を的確に診断する能力と考えています。医療に携われていない方にはピンと来ないかもしれませんが、“診断は何より大切である”というのが僕の原点です。適切な診断が出来なければ、治療方針は立てづらく、ちゃんとした治療を行うのは難しい。逆に診断がつけば、治療方針は自ずと決まるものなのです。吉利和先生の「内科診断学」が学生時代に出会った最も思い出深い教科書の一つであり、研修医時代の青春の一冊でもあります。診療を行う上でこれからもずっと磨き続けていきたいです。
診療に対する考えは前述しました。しかし患者さんは生身の人間です。患者さんの気持ちに寄り添った、患者さんの立場に立った医療を常に心がけています。健診等で指摘された方、他院からの紹介患者さん、飛び込みの患者さん、みな不安でいっぱいと思います。的確な診断はもちろんですが、不安を安心に変えられるような相手の立場に立った親身な対応をといつも考えています。一方で当クリニックは重い腎臓病により血液透析を行うことで生命を維持する治療も行っています。人工透析は第2の人生といわれています。不幸にも透析になった患者さんとご家族にこれからの生き方を共有し、価値観を共有して、そのショックから一日でも早く立ち直れるように、そして幸せな透析生活が送れるよう全ての透析患者さんに向き合って診療を行っています。
透析療法だけでなく、慢性腎臓病や糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病にも重点を置いて、地域貢献を行っています。交通の便が良いので、駐車場にも困らないようにも配慮しています。広いフロアを確保し、安心して診察待ちができる空間を作っています。また県内の基幹病院とも密に連携を図り、重い疾患であっても迅速に対応できる体制構築もしています。
当クリニックには、ミッション・ビジョン・バリューというコアの概念を基に、常に考え行動することを最も大切な規範にしています。その中で、スタッフには“一人一人の思いを大切にし、信頼と感謝・笑顔が生まれる組織文化を育てスタッフを幸せにする“ことを謳っています。現在のスタッフは本当によく働き、勤務をしてもらっており、とても感謝しています。ここで勤務してよかったと人生を振り返ったときに思ってもらえるような、各家庭においても幸せな生活を送ってもらえるような、そんな職場づくりが僕の願いです。
患者さんへもミッション・ビジョン・バリューという規範を胸に診療に当たっています。その文言の一部ですが、“温かみのあるケアで安心して過ごせるもう一つの家族を提供する“というものです。これをモットーに診療に当たり、ハートフルで関わる人が皆幸せになる、まさにグレートなクリニックにしていきたいと思います。
日本内科学会: 総合内科専門医/内科救急JMECCインストラクター
日本腎臓学会: 腎臓専門医/指導医
日本糖尿病学会: 糖尿病専門医
日本透析医学会: 透析専門医/指導医/VA血管内治療認定医
日本アフェレシス学会: 血漿交換療法専門医
日本透析アクセス医学会: VA血管内治療認定医
透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会:VAIVT認定専門医
日本救急医学会: ICLSインストラクター
透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会幹事
日本インターベンショナルネフロロジー学会世話人
医院名 | 甲府昭和腎クリニック | ||||||||||||||||||||||||
住所 | 〒409-3864 山梨県中巨摩郡昭和町押越789 地図を表示 | ||||||||||||||||||||||||
電話番号 | 055-275-6550 | ||||||||||||||||||||||||
診療科目 | 腎臓内科(糖尿病内科) 泌尿器科 | ||||||||||||||||||||||||
診療時間
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休診日 | 土曜午後 日曜 祝日 | ||||||||||||||||||||||||
最寄り駅 | 常永駅 | ||||||||||||||||||||||||
交通手段 | 甲府昭和ICから車で10分 | ||||||||||||||||||||||||
駐車場 | 有り 50台以上駐車可 | ||||||||||||||||||||||||
ホームページ | https://www.kofushowa-jinc.jp/ |
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