医療法人かけはし会 脳神経内科くすのき診療所 院長 苅田 典生先生にお話を伺いました。
神戸大学です。
私の親戚に医者が誰もいなかったので、親に医者になってくれたら心強くていいなと言われたことがきっかけです。当時「赤ひげ」という映画とその後テレビドラマがあって、夢中で観ていました。そのドラマに出てくる医者達をみて、かっこいいなとあこがれました。
大学を卒業する前から神経内科の領域をやりたいと思いました。それで、卒業後はいろいろな先生の助言もあり、いろいろなところで神経内科の勉強をさせていただきました。1993年に母校の大学の方に戻って神経内科の専門医として勤めてきました。そのとき、神経内科の診療所というのが世の中に非常に少ないのではと思いました。それで、今でいう脳神経内科を専門にしたクリニックが世の中に必要だと思い、このクリニックを開業しました。
大学病院で専門医療をやっているとき、患者さんがとても多く、ほとんど私は診療に忙殺される状況でした。このとき、本来大学病院が担うべき医療と、地域で担うべき医療は違うだろうと思いました。私が大学病院でやっているような外来というのは、地域でむしろやったほうが、患者さんとしてもハードルが低くなります。私はいっそのこと、地域で臨床に没頭した方がいいだろうと思うようになりました。またいざという時に高度な専門的な医療が提供できる大学病院の近くでこういうクリニックを開設して、大学病院のいわば外来を地域に出すみたいなイメージで、クリニックを作りたいと考えておりました。ここは駅の反対側にはなるのですが、大学病院に来られる方々が利用される公共交通機関とかなり近いところだったので、この土地で開業しようと思いました。
神経内科一般をやっています。神経内科というのは、皆さんあんまりご存知ないかもしれませんが、脳・脊髄・末梢神経・筋肉、それを栄養する血管、こういったものすべてを診る診療科です。病気の内容としては、脳梗塞などの脳血管障害もあれば、頭痛やてんかんといった機能的な疾患も扱います。それからパーキンソン病やアルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症など、神経変性疾患も扱います。また、多発性硬化症、重症筋無力症といった免疫性神経疾患もありますし、筋ジストロフィーなどの筋肉の病気もあります。大学病院にいた時には全部経験することができましたが、今主に力を入れているのはパーキンソン病です。パーキンソン病の患者さんは数も多いし、何より薬がたくさんあります。その薬をどう使い分けて、どの順番で、その人には何が合うのか、いろいろな選択肢があります。自分の経験を患者さんに生かせる、パーキンソン病の患者さんを一番たくさん診ています。
大学病院で外来診療をしていたときに、例えば多発性硬化症の患者さんが、大学病院の神経内科にたどり着くまでに、10年ぐらいかかった方もいます。その間、整形外科に行ったり、脳神経外科に行ったり、内科に行ったりして、どこも異常ないとか、これは分からないとか言われて、周り回ってやっと神経内科にたどり着かれているんです。神経内科医が地域にあまりいないので、なかなかたどり着けないわけです。そういった神経内科難民みたいな人たちが、世の中にたくさんおられました。それで、とにかく敷居を低くして、「これって神経内科の病気じゃないの?」と思ったら、遠慮なく来ていただいて、紹介状も予約も要りませんよという形で、いつでも診ますと。そういう形で、まず私のところでスクリーニングをして、神経内科の領域じゃないですよっていう人には、そういうふうに申し上げますし、私のレベルで治療できる病気であれば、私が治療します。これは大学病院で専門的にやっていただくしかないですよといった時は、大学病院に紹介します。そういう振るいわけをファーストタッチでしていけるようなクリニック、患者さんへのサービスをずっとしたいと思っていました。
私自身、今も大学病院で外来を持っています。一方このクリニックには、大学病院の先生たちが何人かここで外来を受け持っています。当院を受診された患者様には、必要があればすぐに大学病院へ案内することができます。大学病院の先生たちはここに来てくれて、私といろんな話をする中でも、「今、こんな治療の方が流行りですよ。」とか、「こういう患者さんにはこういうふうにやった方がいいですよ。」みたいな最新・最先端の情報を教えてくれます。 そういう大学病院のいいところを、地域で身近に提供できます。そこがこの診療所の特色です。
患者さんを第一に考え、できる限り寄り添うこと。それが私の医師としての信念です。開業当初は、どんなに診療時間が延びても、今日来院された患者さんを最大限時間をかけて診るべきだと考えていました。しかし、クリニックを支えるスタッフの皆さんには、それぞれ家庭や生活があります。スタッフの皆様からは、働く環境の大切さを学びました。私自身まだまだ至らない部分もあります。忙しい診療の中で、ついあわてたり気が焦ってしまうこともあります。しかし、そんなときでもスタッフの皆さんが支えてくれることで、成長できています。患者さんへの思いと、スタッフの皆さんへの感謝。その両方を大切にしながら、これからもより良い医療を提供していきたいと思っています。
開院して8年になりますが、おかげさまで、患者さんもある程度定着してきています。大学病院からも継続的に医者たちが何人か来て手伝ってくれていますので、この体制をできるだけ維持していきたいと思っています。私自身、体力も衰えてきますし、私がここをいつまで続けられるかは分からないですが、今ここでやっていること自体は、私が大学病院にいて、夢に描いていたクリニックを、かなり理想的にできていると思っていますので、できるだけこの活動を続けていきたいという風に思っています。
医院名 | 医療法人かけはし会 脳神経内科くすのき診療所 | ||||||||||||||||||||||||
住所 | 〒650-0044 兵庫県神戸市中央区東川崎町1-8-1 プロメナ神戸309 地図を表示 | ||||||||||||||||||||||||
電話番号 | 078-361-2800 | ||||||||||||||||||||||||
診療科目 | 神経内科・脳神経内科 | ||||||||||||||||||||||||
診療時間
※土曜の初診は、原則として神戸大学教員が担当します。
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休診日 | 火曜午前 木曜午後 土曜午後 日曜 祝日 | ||||||||||||||||||||||||
最寄り駅 | JR 神戸駅 | ||||||||||||||||||||||||
交通手段 | JR神戸駅より徒歩約5分 地下鉄海岸線 ハーバーランド駅より徒歩約5分 神戸高速鉄道 高速神戸駅より徒歩約7分 すべての路線から地下道でご来院できます。 | ||||||||||||||||||||||||
駐車場 | 無し 近隣の駐車場をご利用ください。 | ||||||||||||||||||||||||
ホームページ | https://kusunoki-cl.net/ |
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