ながいキッズクリニック｜小児科小児内分泌科内科清荒神駅川面4-1-55（電話番号：0797-86-8603）

Doctor　Interview

ながいキッズクリニック院長永井正志先生にお話を伺いました。

お子様のことを何でも相談できる
クリニックを目指します

ながいキッズクリニック院長永井正志先生

ながいキッズクリニック
院長永井正志先生

医院の外観です

医院の内観です

出身大学はどちらですか？

出身大学は岐阜大学で、大学院は神戸大学です。

ドクターになろうと思った動機は何ですか？

医師を目指したきっかけは、正直に言うと立派な志というよりも偶然の積み重ねでした。中学三年生のとき、松山市で“将来の夢”という作文を書く機会があったんです。そのときにたまたま読んだのが、脳腫瘍になった脳外科医の先生の闘病記でした。自分が患者になり、手術もできなくなっていく中で、それでも“医療はやりがいのある仕事だ”と綴られていて、その姿に強く心を動かされました。当時は文系が得意で、医学部なんて考えてもいなかったんですが、その作文を書いたことでクラス代表に選ばれ、みんなの前で発表することになったんです。『医者になる』と宣言したのに文系に進むのはおかしいだろう、という流れで理系を選びました。両親や祖父母、親戚にも医療関係者が多く、医師という職業が身近だったこともあり、自然と医学の道に進むことになりました。

この医院の診療科目を決めた理由は何ですか？

学生時代に高齢の方の大手術をめぐる場面を見たことがありました。本人は望んでいなくても家族の希望で、結局本人が恐くなりキャンセルになったのですが、そのときに“これは本当に正しいのか”と強く感じたんです。大人の医療は、本人と家族の思いが必ずしも一致しないことがあります。一方で小児科は、子ども自身も家族も“助けてほしい”という同じ方向を向いています。子供達には将来があり、医学の進歩で救える病気も増えています。長期入院や院内学級など、子どもならではの課題に寄り添えることも含めて、やりがいを感じました。『この世界なら自分も前向きに取り組める』と思い、小児科を選びました。

この土地で開業しようと思った理由は何ですか?

宝塚には祖父母の生家があり、子どもの頃から親しみのある土地でした。さらに私が専門にしている小児内分泌は、大きな病院でしか診てもらえないことが多いんです。でも大病院だと平日昼間しか診療がなく、子どもが学校を休まないといけないんです。内分泌の病気は入院が必要なことは少なく、薬でコントロールできるものが多い。だからこそ、生活の質を上げるための治療が、逆に学校生活を妨げてしまっている現状を変えたいと思いました。「地域で、学校を休まずに通える環境を作りたい。」その思いから、この土地で開業しました。

先生の得意な分野（治療）は何ですか？

小児科なので基本的には子どもの全身を幅広く診ます。ただ、その中でも特に得意としているのは“小児内分泌”の分野です。こども病院で内分泌を専門にやってきた経験があり、低身長や思春期早発症、先天性の甲状腺機能低下症といった病気を多く診てきました。大学院時代の研究テーマは筋ジストロフィーで、先天性の筋疾患についても関わってきました。ですので、内分泌疾患を中心にしながら、筋疾患など先天性の病気についてもある程度の知識と経験があります。小児内分泌は、命に直結する病気というよりも、将来の身長や思春期の進み方など、子どもの成長や生活の質に大きく関わる分野です。”背が低いのではないか？””思春期が早すぎるのではないか？”といった悩みは、子ども本人にとってもご家族にとっても非常に大きな問題です。そうした悩みに専門的に対応できるのが、私の強みだと思っています。

患者さんにどのように貢献したいですか？

私が一番やりたいのは、やっぱり慢性疾患を持っている子どもたちへのサポートです。生まれつきの病気があって、定期的に病院に通わなければならない子どもたちって、どうしても学校生活や日常生活に制限がかかってしまうんですよね。そういう子たちが、できるだけ普通の生活を送りながら治療を続けられるようにしてあげたい、という思いが強いです。もちろん、在宅医療のように私が専門としていない分野もありますので、すべてを担えるわけではありません。ただ、それでも“定期的に通院が必要な子どもたち”が安心して通える場所を作ることはできると思っています。急性期の病気、たとえば風邪や感染症を診ることも小児科医として大切な役割です。でも、そうした病気は他の小児科でも診てもらえます。一方で、低身長や思春期早発症、先天性の内分泌疾患といった慢性的な病気は、専門的に診られる医師が限られています。だからこそ、私は“ここでしか診られない子どもたち”をしっかり支えていきたいと思っています。病気を持ちながらも、子どもたちが自分らしい生活を送り、将来に向かって安心して成長していけるように。そのために力を尽くすことが、私にとっての一番の貢献だと思っています。

この医院の他にないところを、PRお願いします。

一番の特徴は“小児内分泌”を専門的に診られることだと思います。小児内分泌を専門にしている医師は全国的にも少なくて、兵庫県の中でも本当に数えるほどしかいません。大きな病院には専門医がいますが、地域のクリニックで専門的に診られるところはほとんどないんです。私自身、こども病院で内分泌を専門にやってきましたので、低身長や思春期早発症、先天性の甲状腺機能低下症といった分野には特に力を入れています。これらの病気は命に直結するものではないかもしれませんが、将来の身長や見た目、生活の質（QOL）に大きく関わってきます。例えば“背が伸びない”“思春期が早く始まってしまった”といった悩みは、子ども本人にとってもご家族にとっても非常に大きな問題です。そうした悩みを専門的に診て、必要であれば治療につなげていくことができるのは、このクリニックならではの強みだと思っています。『命に関わらないから大丈夫』ではなく、『将来の生活をより良くするためにできることがある』という視点で診療しています。ですので、もし“うちの子、背が低いのかな？”“ちょっと成長が早すぎるのでは？”と気になることがあれば、早めに相談していただければと思います。早期に気づくことで、その後の成長や生活に大きな違いが出ることもありますから。

スタッフさんに対しての想いを語って下さい。

うちのスタッフは、本当にみんなよく頑張ってくれていると思います。開院したとき、実は小児科クリニックの経験者はほとんどいなかったんです。看護師さんも一人だけが小児科クリニックの経験者で、事務スタッフに至っては全員が未経験からのスタートでした。そんな中で、みんなが一から学びながら、今のクリニックを一緒に作り上げてくれたんです。私がお願いしていたのは、ちょっと相反するような二つのことでした。一つは“小児科らしい明るさや子どもらしさを前面に出さないでほしい”ということ。もう一つは“丁寧で安心できる雰囲気を作ってほしい”ということです。小児科といえばアンパンマンやキャラクターでいっぱいの病院をイメージされる方も多いと思いますが、うちではあえてそうしていません。なぜかというと、私が診ているのは低身長や思春期早発症など、思春期の子どもたちも多いからです。小学校高学年から中学生くらいの子にとって、“アンパンマンだらけの病院に通う”というのは抵抗があるんですよね。病気だけど病気らしくない、そんな微妙な年頃の子どもたちが安心して通えるように、少し落ち着いた雰囲気を意識しています。イメージとしては婦人科に近い感じでしょうか。もちろん、小さな子どもたちにとっても居心地が悪くならないように、スタッフが工夫してくれています。かわいらしさも少し取り入れつつ、でも“子どもっぽすぎない”絶妙なバランスを保ってくれている。これは本当にスタッフの力だと思います。だから私は、スタッフにはとても感謝しています。経験がなくても、子どもやご家族に寄り添う姿勢を大事にしてくれている。クリニックの雰囲気を作っているのは、間違いなくスタッフ一人ひとりの力です。

今後、どういう風に医院をしていきたいですか？

正直に言うと、開業してから“どういう医院にしていきたいか”というのは、すごく難しい問いだなと感じています。もちろん地域に根差した小児科として、風邪や感染症といった急性期の病気を診ることは欠かせません。でも同時に、慢性疾患を持つ子どもたちをどう守っていくか、そこを大事にしたいと思っています。コロナ禍のときに強く感じたのは、急性期の対応に追われると、慢性期の子どもたちの治療が後回しになってしまう危険があるということです。実際、当時は開院したばかりで慢性期の患者さんは少なかったので、急性期に全力を注ぐことができました。でも、もし慢性期の子がたくさん通っていたらどうだったか。治療を止めるわけにはいかない子どもたちを、どう守るかという課題が浮き彫りになりました。だから今は、完全予約制にしてご不便をおかけしている部分もありますが、それは“風邪で来る子どもたち”と“定期的に通わなければならない子どもたち”を分けて守るためでもあります。できるだけ待ち時間を短くして、診察から会計まで30分以内で終えられるようにしたいと考えています。もちろん、急にしんどい子が来れば予定通りにいかないこともありますが、それでも“待たせすぎない”というのは常に意識しています。小児科医はたくさんいますし、風邪を診ることができる先生も多いです。でも、低身長や思春期早発症といった小児内分泌の分野は専門性が高く、診られる医師は限られています。だからこそ、“ここでしか診られない子どもたち”を守りながら、同時に地域の急性期の子どもたちも診ていく。その両立をどう実現していくかが、今後の大きなテーマだと思っています。感染症対策をしっかり行いながら、慢性期の子どもたちが安心して通える環境を守る。そして地域の子どもたちにとって“ここに来れば安心できる”と思ってもらえるような医院にしていきたいですね。

基本情報