クローバー動物病院 院長 土井 祐樹先生にお話を伺いました。
幼い頃からずっと犬がいる環境で育ってきました。獣医を目指した一番最初のきっかけは2番目に飼った子が、心臓の寄生虫であるフィラリアで亡くなってしまったことです。体調が悪くなっていた朝、親に病院に連れて行くからと言われて、心配しながらも私は学校に行きました。ところが帰って来るとその子は亡くなっていて、本当にショックでした。当時犬のフィラリアは珍しくありませんでしたが、薬さえきちんと飲ませていれば予防できる病気でしたので大変悔やみました。そういった経験があり動物の命を救える獣医になろうと思いました。
現在は猫を飼っています。ずっと犬と一緒に暮らしてきましたが、猫を飼うことになったのは、獣医師免許を取得して一番はじめに勤務した動物病院がきっかけです。動物病院には入り口や駐車場に捨て猫が置かれていることがよくあります。まだ就職したばかりで右も左も分からない頃、朝に出勤すると6匹の仔猫が捨てられていて、そのうちの5匹は低体温で亡くなってしまっていましたが、1匹だけがまだ生きていました。院長から指示を受けて私がその仔猫を治療することになり、低体温になっていたので温めて治療して、元気にしてあげられることができたその子をそのまま私が引き取ることになりました。それが猫を最初に飼い始めたきっかけです。その子は心臓の持病で2018年の始めに亡くなってしまったのですが、その子がなくなって数か月後にまた私は猫を飼うことになりました。私の実家のご近所の方が仔猫を繁殖させて、それは仔猫の貰い手が決まっている中での計画的な繁殖で問題はないのですが、その貰い手のうちの一人が当時2018年の豪雨災害で被災されて、猫を飼うどころではない状況になってしまいました。そのため、ご近所の方に「行くところがなくなってしまったから、預かってくれん?」とお願いされ、私も飼い猫が亡くなったばかりでしばらくは喪に服すつもりでいたのですが、どうしてもということで引き取ることになったのが今の子です。夏の初めにうちに来たの子なので「立夏」と書いて「りっか」と妻が名付けました。
私自身広島出身で、大学と勤務医時代は広島を離れましたが、やはり生まれ育った地で貢献したいと思いましたので、また広島に帰ってきて開業しました。
人間も動物も同じで病気は放っておいても誰しもがなるものなので、なるべく早く発見してあげて、苦しみをできる限り少なくしたいといつも思っています。私達がずっと診ていられるわけではなく、やはり飼い主さんからの訴えがなければ治療に繋げられませんので、何か変だと思うことがあれば、気軽に相談しに来ていただきたいと思います。
飼い主さんと動物と、長くお付き合いをしながら治療をしていく内科治療が好きな分野です。
動物は自分で「ここが痛い」と伝えることができないので、飼い主さんが見て感じたことを私達に代弁して下さる、それを聞いて私達は筋道を立てていくという風に診療を行っていくのですが、なるべく負担を掛けないことを一番大事に考えています。負担というのは動物への負担はもちろんですし、飼い主さんへの負担、金銭的な負担など総合的に考えなければいけません。人間の治療では保険制度がしっかりしていますので、金銭的な負担を考えることは少ないかもしれないですが、動物の場合は民間保険はありますが、上限があったりしますので、治療選択には金銭面も考える必要があります。ですが医療は年々ハイレベルになっていますので、そういったところ全てを飼い主さんとよく話し合って、人によって重きを置くところは違いますので、お一人おひとりに合った答えを一緒に見つけていければと思っています。
他にないところというと難しいですが、動物を思いやる診療はとても大事にしています。たまに注射をする時に「犬も痛みを感じるんですか?」と聞かれますが、もちろん犬も痛みを感じます。ですので、施術の時には一番に動物の苦痛に寄り添って言葉掛けを行うようにしています。私も3人の親なので思いますが、ペット医療は3歳児4歳児を診ているのとよく似ています。当院には小児科医の先生も来院されているのでお話させていただくと、本当に共通点が多いです。私も人間の子どものを診ているのと同じ気持ちで診療しているのだと思います。
動物医療は採血一つにしても、獣医一人ではできません。すぐに動いてしまいますので、飼い主さんやスタッフさんの補助がとても大事です。本当に人間の小児科の診療と一緒だと思います。本人は何をされているのか理解できませんし、時には宥めたり、力を入れて抑えないといけない時もあります。そういった匙加減はとても難しいですが、スタッフの皆さんには少しずつ勉強していただいて、プロ意識を持ちながら動物に寄り添い、その子にとって適切な対応を臨機応変にしていけるように頑張っていって欲しいです。
病院を大きくしていきたいといった思いはありません。飼い主さんと動物にきちんと向き合い、手術にしても、内科治療にしても、できるだけ負担の少ない治療の選択肢を提示できる病院にしていきたいです。
飼い主さんへのお願いとしては、できるだけペットから目を離さないでいてあげて欲しいということです。人間の子どもと同じだと申しましたが、ペットもよく異物を食べてしまうことがあります。それが時には中毒を起こしたり、体に詰まって開腹せざるを得なくなったりします。当院では最近でも生後4か月の猫ちゃんのお腹を開けました。4か月は人間でいうと2歳ほどです。猫ちゃんの避妊手術や去勢手術をする時でも体がしっかりと出来上がるまでの半年間は行いません。そのくらい幼い子に負担を掛けてしまう事案も多くあります。できるだけ目を掛けられない時はゲージの中で過ごさせてあげて欲しいなと思います。
医院名 | クローバー動物病院 | ||||||||||||||||||||||||
住所 | 〒730-0049 広島県広島市中区南竹屋町1-21 1F 地図を表示 | ||||||||||||||||||||||||
電話番号 | 082-246-4976 | ||||||||||||||||||||||||
診療科目 | 犬 猫 | ||||||||||||||||||||||||
診療時間
診療受付は30分前に、新規の患者様は1時間前に受付をお願い致します
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休診日 | 木曜 日曜 祝日 | ||||||||||||||||||||||||
最寄り駅 | |||||||||||||||||||||||||
交通手段 | 広電バス12号線の南竹屋町バス停前 | ||||||||||||||||||||||||
駐車場 | 有り 2台スペース |
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